整骨院が開業できない!厳しくなる柔道整復師の現実

整骨院が開業できない!厳しくなる柔道整復師の現実




平成27年度の国民医療費が42兆円を超え、毎年約1兆円ペースの増額をし続けています。

柔道整復師による保険請求はピーク時の4000億円から少しずつ下がり始め、4000億円台を下回り始めました。

それはつまり、整骨院を運営する柔道整復師たちの経営状況が厳しくなっていることを意味します。

保険に守られない柔道整復師の実力が問われる時代

施術

超高齢社会に入り、国民医療費が高騰し続けている現在、国は医療保険料を少しでも安く抑えるために病院などの各医療機関に施策を打ち始めています。

整骨院による保険請求もその対象で、一昔前のような3部位、4部位もの保険請求は既にほぼ出来なくなりました。

1部位、2部位の保険請求では院の運営が難しい為、保険請求を行わない自由診療を取り入れて患者ではなく、お客様を取り入れる整骨院が急増しているのがその証拠です。

今までは保険請求に守られる形で生き残っていた整骨院も自由診療が当たり前の時代に突入したことで、腕のある柔道整復師しか生き残れない状況になってきました。

既に全国に4万院以上もの整骨院が乱立しており整骨院同士の競争が激しい状況です。

ここからさらに自由診療が当たり前になっていくことで企業が運営しているリラクゼーションサロンや整体院、駅前の格安もみほぐしチェーン店との競争も避けることはできないでしょう。

整骨院開業権の取得に3年掛かる

開業権

もはや大手コンビニチェーン店よりも数の増えた整骨院の数は4万院を超えています。

背景には、柔道整復師を養成する学校の設立に関する規制が緩和されたことにより柔整師の専門学校が急増、結果、毎年約5000人以上のペースで柔道整復師が増え続け、年間約1000院を超える新たな整骨院が生まれています。

あまりに多すぎる整骨院の増加を抑制する為、厚生労働省は新たな施策を発表しました。

厚生労働省から2017年の6月15日付で発出された「施術管理者の要件について」
「平成30年の4月以降、整骨院(接骨院)を開業する為には既卒を含めて、最大3年間の実務経験と一定の研修を要する」

これはつまり、平成30年4月以降に整骨院を開業する場合、最大3年間の実務経験を積まなければ整骨院の開業が出来なくなりましたということです。

今までは国家試験に合格し柔整師の資格さえ取得すれば、スグにでも開業することが出来ましたが、この厚生労働省の決定によりそれが出来なくなったということ。さらに、このような通知が続きます。

  1. 平成30年4月から平成34年3月までに届出を行う場合は1年
  2. 平成34年4月から平成36年3月までに届け出を行う場合は2年
  3. 平成36年4月以降に届け出を行う場合は3年

柔整師の資格を取得し整骨院を開業しようと考えているなら、出来るだけ早めに申請しなければ実務経験の必要な期間がどんどん伸びていきます。

この厚生労働省の通知は、2017年の6月15日付です。

このままのペースで柔道整復師が増え続け整骨院の数が増加し続ければ、整骨院の開業権の制約はもっと厳しいものになっていくことが容易に想像できます。

将来は開業できなくなる

開業できなくなる

柔道整復師の資格を既に持っている、または現在、学校に通って資格取得を目指していて、いつかは自分の整骨院を開業したい。

そう思っている方々は、出来るだけ早く決断をする必要があります。

柔整業界の開業権の制約が拡大していき、増え続ける保険請求の締め付けがさらに厳しくなっていくことを避けるのは難しいのが実情です。

平均で700~1000万円程の費用が掛かる整骨院の開業、そのすべてを自己資金だけで賄える人はそうそういません。

国や銀行に融資してもらって開業する人がほとんどです。

時代の流れで、整骨院の開業難しくなり保険請求の審査が厳しくなればなるほど、その融資もおりずらくなっていくのは必至です。

独立して自分の整骨院を開業したいのであれば、”いつか”ではなく、具体的にいつまでに開業するのかを少しでも早く決断すべきです。

最悪の場合、整骨院が増加しすぎて新たな開業が出来なくなる事態だって起こり得ます。

部位転がし禁止!悪質な保険請求も厳しく

保険請求

増えすぎたのは柔道整復師と整骨院の数だけではありません。

ピーク時は4000億円を超える保険請求が全国の整骨院から行われ、これにより今まで当たり前のように複数の部位で請求されていた保険診療が見直され始めました。

特に、一部の悪質な柔整師が行う”部位転がし”はその代表的な例です。

部位転がしとは
保険適用されない肩こり等に対して、打撲や捻挫と偽って施術を繰り返す。

実際には、なんの症状もない箇所に対して施術を行ったと虚偽の申請をすること。

本来の治療すべき部位を変える続けることから、転がすと言われる。

このような現状に対して厚生労働省は、地方厚生局の人員増強、柔整審査会の調査権限の強化、さらに、2つの機関の連携の強化を行うことを決定しました。

具体的には、柔整委審査会が支給申請書の内容について照会を求められるようになり、整骨院の院長に直接回答を求めることができるようになります。

また、領収書の発行履歴やカルテの提出を要求できるようになります。

柔整審査会が直接地方厚生局へ通報することができるようになり、通報を受けた地方厚生局は整骨院に直接立ち入り調査を行うことが出来ます。

不正が確認された場合、保険請求取り扱いが中止され、そのような処分や調査が行われたことが公表されます。

いよいよ厳しくなる整骨院業界

柔整師

さらに、今までは医療機関である病院に適用されていた、金品の授与により得た患者への治療に対する保険請求。

健全な運営の妨げになるとして医療機関に課されていたものですが、ようやく柔道整復師にもこのルールが適用されるようになります。

また、今まで整骨院の看板や、のぼりには規制がありましたが、院のホームページに特に規制はありませんでした。

しかし、「ウェブサイトを含む広告作成のガイドライン」を新たに作成することが議題に上っています。

そう遠くないうちに厚生労働省が何らかの発表が行われる可能性が高いので、既に院のホームページを持っている院長たちは注意が必要です。

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まとめ

増えまくった整骨院同士の競争と自由診療に伴うリラクゼーションサロンなどのチェーン店との競争により、柔整師の現状と未来は厳しい。

増え続ける整骨院数を抑制する為、開業権に実務経験が必要になった。

開業権の規制と保険請求は今後ますます厳しくなることが予想される。

整骨院を取し締まる機関がどんどん強化され、病院に課せられていたルールやホームページを含む広告のガイドラインも作成されつつある。









整骨院が開業できない!厳しくなる柔道整復師の現実

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マッサージ業界歴10年のり子です。リラクゼーションサロン、整骨院、整体スクール講師、独立開業などの経験を「これからマッサージ業界で働いてみよう!」という方や、既に業界で働いている方の「これってどうなの?」という疑問に役立つ情報を紹介します。