2016年03月09日

未来は明るい!鍼灸師の将来と現実 

鍼灸師の将来

鍼灸師の人口推移とお店の数

鍼灸師(はり師、きゅう師)になるには3年間専門学校で学び国家試験に受かる必要があります。学費はトータルで約500万円と高額です。全国に学校があり年々入学者が減少している為、入学しやすい傾向にあります。

年間約700人以上の合格者数で推移しており平成26年度の資格保有者数は、はり師が163,433人、きゅう師が162,181人。詳しくは、鍼灸師の年度別登録者数

あん摩マッサージ指圧師の施術所数

あん摩マッサージ指圧師の数

内就業しているのが平成24年度で、はり師100,881人、きゅう師99,118人。基本的に、はり師ときゅう師の学科は併設されており、ほとんどの場合2つ一緒に受験するので約10万人の鍼灸師が働いていることになります。

平成24年時点での鍼灸の施術所は23145店。あん摩マッサージを併設している鍼灸施術所は37185店あり、併せると約6万店舗あります。

保険適用はほぼ出来ない鍼灸業界

鍼灸師の保険請求
国家資格である鍼灸師には、神経痛、リウマチ、頸腕症候群、五十肩、腰痛症、頚椎捻挫後遺症の6つの疾患に限り健康保険を適用した治療が許可されています。

しかし、いずれの場合も医者の同意書が必要で基本的に病院での治療と併用することが出来ません。

その同意書に関しても、鍼灸院で予め専用の用紙もらい患者さん自ら医者の元へ行き記入をしてもらう必要があります。

また、保険組合によっては受領委任払い(病院のように一部負担金のみを窓口で払う制度)ではなく、償還払い(窓口で一旦、全額を患者が払い、後から患者自身が保険者へ請求する制度)での保険適用となるケースもあり、かなりの手間を要します。

その為、鍼灸師の年間保険請求は約250億円、同じ国家資格である柔道整復師の保険請求額4000億円に比べると16倍もの差があり、いかに鍼灸師の保険請求が難しいかを物語っています。鍼灸師の保険診療はほぼ出来ないのが現状です。




開業してもやっていけない鍼灸業界

鍼灸師の開業
保険適用が難しい鍼灸業界では自由診療での実費治療が主流です。開業して治療院を経営する人もいますが大半は整骨院やリラクゼーションサロンに勤務します。

治療院や病院に勤務しない場合、リラクゼーションや美容ダイエットに効く鍼など治療とは関わらない分野での仕事が主だったものです。

学校を卒業し資格を取得すればすぐに開業出来ますが、治療の技術を身に着けるのは現場での経験が無ければ相当難しいものです。持って生まれたセンスだけで治療が出来る鍼灸の天才でもない限りは出来ません。

保険適用が実質出来ない現状なので、お客さんは実費で代金を払うことになります。その為、確実にお客さんの訴える症状を治せる技術が必要となるのです。

さらに、街中にたくさんあるリラクゼーションや整体などのお店や全国に4万以上ある整骨院との顧客争奪をしなければなりません。詳しくは、柔道整復師の資格は将来的に必要なのか

治療が出来るだけでは到底生き残ることは出来ず、接客サービスやリラクゼーションと呼ばれる慰安の技術も必要です。つまり、開業するうえで治療の技術は最低限必要ということになります。

かなり高いハードルの為、開業しても儲からない鍼灸師がほとんどで成功しているのはごく一部。

このごく一部の成功を収めている鍼灸師の元で修業を重ねることが出来れば十分な治療の技術を身に着けることが出来ますが、恐らくはかなり安価な賃金で長期間働くことになります。

まだ若い鍼灸師であればそれも可能ですが30代以降には厳しいものがあります。

改善され始めた鍼灸業界

鍼灸業界の改善
3年間と500万円の時間とお金を費やし難しい国家試験を突破しても前途多難な鍼灸師ですが、近年、明るい話題も増えています。

最も大きな課題である保険診療に関して、鍼灸の業界団体らの働きかけにより平成16年度162億円だった鍼灸保険請求費が平成22年度には317億円まで増えました。

また、日本と違い民間の保険が主流の欧米諸国ではコストが低く治療効果の高い鍼治療が大きく評価され始めています。

イタリアの調査:
片頭痛120名を対象に薬物治療と鍼治療のグループに分けて12ヶ月間かけた調査で、鍼治療のグループは患者1人につき7万5千円の節約になるとした。

スウェーデンの調査:
脳卒中に対する鍼治療についての研究でリハビリユニットとナーシングホームの入所日通が鍼治療のグループで優位に短縮された。入院費用も削減され、1人につき2,6000ドルの節約になるとしている。この研究では理学療法との併用が早期の機能回復が期待できることが示唆されている。

イギリスの調査:
筋骨格系疾患、リウマチに対する鍼治療の経済評価では、患者1人あたり232ポンド節約できるという結果。 また、英国では実際にgeneral practitionar(一般臨床医)が鍼治療などを行い薬剤費の削減などが報告されており、英国医師会は今後National Health Serviceの予算の数万ポンドを節約できると推定している。

新しい分野からの求人は高待遇

高待遇の求人
老人ホームや介護施設などの高齢者が利用する施設での求人が年々増加。超高齢社会に突入し、65歳以上の高齢者が占める人口の割合は今後30年間にわたって3割以上です。

それに伴い老人ホーム等の関連施設は増え続けており、どこも満員状態。医者と提携したり病院と併設している施設がほとんどです。

鍼灸師にとってありがたいことに、施設の運営をする企業が仲介に入ることで医者の同意書を通した保険適用の鍼治療が行えるようになりました。

医者の同意書が無ければ保険を使った治療が出来ない点が一番のネックであった鍼灸師にはこれほどありがたい機会はありません。

求人は全国各地で募集されており、待遇も土日祝日お休み、月給40万円以上、有給、夏季休暇などの福利厚生もある安心の高待遇。勤務時間も朝の9時から夕方18時まで残業も月10時間程度という病院並のところがほとんどです。

詳しくは、資格・経験を生かして好条件で転職

ケアマネージャーの国家資格が取得できる

鍼灸師からケアマネージャーへ
あまり知られていませんが鍼灸師としての実務経験を5年間積むと、介護支援専門員(ケアマネージャー)の受験資格が与えられます。

介護支援専門員とは、介護保険制度において要支援、要介護の認定を受けた人の介護サービスの給付プランを作成し介護サービス事業者との連絡や調整等をとりまとめて行うことが出来る国家資格です。

介護業界における上級資格にあたる国家資格なので、持っておいて損はありません。

需要の高まる介護ビジネス業界に転職すれば、ケアマネージャーの資格はさらに活かせる可能性があります。




鍼灸師の現実と将来のまとめ

  • ・手続きが面倒で医者の同意書が必要な鍼灸治療での保険適用は難しい。
  • ・開業してやっていける鍼灸師はごく一部人気の鍼灸師に弟子入りしても道は険しい。
  • ・高待遇な介護業界からの求人が増えてきている。
  • ・鍼灸師を5年間続けるとケアマネジャーの受験資格がもらえる。

資格・経験を生かして好条件で転職

 
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